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野球をやっていて良かったと思えた、Aくんの話

小学4年生のAくん。

体も大きくない。
足も速くない。
打順はいつも後ろの方。

試合では、なかなかヒットが出ませんでした。

ある日、チャンスで打席が回ってきました。

2アウト、ランナー2塁。

ベンチもざわつく中、Aくんは三振しました。

そのまま試合終了。

ベンチに戻ってきたAくんは、グローブで顔を隠していました。
悔しかったんだと思います。

次の練習の日。

いつもより早く来て、ひとりで素振りをしていました。

「なんで振り遅れたんやろ」

ボソッとつぶやきながら。

誰かに言われたわけでもなく、罰でもなく、
ただ悔しかったから。

数か月後。
また同じような場面が来ました。

2アウト、ランナー2塁。

今度は、詰まりながらもセンター前にポトリ。

決してきれいなヒットではありません。

でも、Aくんは一塁で拳を握っていました。
ベンチも大盛り上がり。

その日の帰り道、お母さんにこう言ったそうです。

「前の三振、無駄じゃなかった。」

その言葉を聞いた時、ああ、野球をやっていて良かったな。
そう思いました。

ホームランじゃない。
優勝でもない。

三振して、悔しくて、それでももう一度立ち向かったこと。

その経験が残ったこと。

これこそが、野球の価値だと思います。

野球は、成功だけのスポーツじゃない。

失敗を越えた瞬間に、初めて“自分の力”になる。

Aくんにとってあの日は、ただのヒットではなく、

「自分はやればできるかもしれない」

と思えた日でした。

僕たちが届けたいのは、こういう瞬間です。

野球をやっていて良かった。

そう思える瞬間は、スコアボードの中だけにあるわけじゃない。

子どもの心の中に、静かに残ります。

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