コーチが一番悩む瞬間
コーチが一番悩む瞬間は、
何を言うかではありません。
何も言わない選択をするときです。
子どもがミスをした。
明らかに分かっていない。
このままだと同じ失敗を繰り返しそう。
本当は、
言いたいことがたくさんあります。
「今のは違う」
「さっき言ったやろ」
「もっとこうしてみよう」
でも、
あえて声をかけないことがあります。
それは、
放置しているからでも、
諦めているからでもありません。
自分で気づく時間を奪いたくないからです。
野球は、
誰かに正解を教えてもらうだけでは
上達しないスポーツです。
試合中、
ベンチから毎回答えは出ません。
その場で判断するのは、
子ども自身です。
だからこそ、
失敗のあとにすぐ答えを与えるより、
「今、何を感じているか」
「自分ではどう思っているか」
ここが生まれるまで、
あえて待つことがあります。
これは、
実はとても勇気のいる判断です。
何もしない=楽、ではありません。
「今声をかけなかったことで、
この子は遠回りしないか」
「逆に、
今ここで口を出した方が良かったのではないか」
そんな迷いが、
頭の中を何度もよぎります。
それでもピースでは、
考える時間を大切にする指導を選びます。
自分で気づいたことは、
誰かに言われた正解よりも、
はるかに深く残るからです。
そして、
本当に必要なタイミングでは、
必ず声をかけます。
・心が折れそうなとき
・方向を完全に見失っているとき
・一人で抱え込んでいるとき
その瞬間を見逃さないために、
普段からよく観ます。
プレーだけでなく、
表情や立ち姿、
声のトーンまで。
コーチが一番悩むのは、
「教え方」ではなく、
この子の成長を信じて、
どこまで任せるかという判断です。
任せることは、
放り出すことではありません。
信じて、
見守って、
必要な時に支えること。
ピースはこれからも、
教えすぎない勇気と、
見逃さない責任を持って、
子どもたちと向き合い続けます。
